2026年2月
水産庁が科学的根拠を欠いたままスルメイカの漁獲枠を拡大し続けた
スルメイカの漁獲量は1968年の66万8364トンから2024年には1万9800トン(97%減)まで落ち込み、日本海系群・太平洋系群とも資源が「限界管理基準値」を大幅に下回る危機的水準にある。にもかかわらず水産庁は、2025年漁期の漁獲可能量(TAC)を科学的助言(ABC)の倍近い水準に設定した上、漁業者からの陳情を受けた政治家の要求に応じる形で2025年秋に2度増枠し、2026年2月の意見交換会ではさらに6万8400トンという案を提示した。
2018年の漁業法改正で最大持続生産量(MSY)に基づく科学的資源管理が制度化されたが、政治的圧力によってTAC設定が実質的に骨抜きにされていると専門家から批判されている。漁業関係者からも会議の場で「博打ではないか」との声が上がった。
未解決
2025年11月27日
水産庁がワシントン条約でのウナギ国際取引規制強化提案に反対し否決させた
ウズベキスタン・サマルカンドで開催されたワシントン条約(CITES)第20回締約国会議(2025年11月24日~12月5日)で、EUがウナギ属全19種をワシントン条約附属書IIに掲載し国際取引規制の対象とする提案を行った。日本(水産庁)はこの提案に一貫して反対し、11月27日の採決で提案は賛成35・反対100で否決された。
ニホンウナギを含むウナギ資源は国際的に減少が指摘されているが、日本は世界最大のウナギ消費国でありながら国際的な資源保全の枠組み強化に反対する姿勢を取り続けている。
未解決
2025年8月25日
水産庁がシラスウナギの無報告流通を長年放置してきたことが判明した
水産庁自身の分析により、2011年から2024年にかけてシラスウナギ(ニホンウナギの稚魚)約19トン分が、都道府県への報告のないまま流通したとみられることが2025年8月に明らかになった。乖離が最大だった2015年は推定漁獲量15.3トンに対し報告量はわずか5.7トン、直近の2024年も推定7.1トンに対し報告5トンにとどまる。
ニホンウナギは完全養殖が商業化されておらず、国内で流通する養殖ウナギはほぼ全て野生のシラスウナギに依存している。水産庁は稚魚の採捕量を自治体に報告させる制度を長年運用してきたが、密漁や無報告・不透明な取引を実効的に防げないまま10年以上にわたり放置してきたことになる。水産庁は不透明な取引が常態化している可能性が高いと分析しており、2025年から取引記録の作成・保存を義務付ける水産流通適正化法の対象にシラスウナギを追加するなど、ようやく規制強化に着手している。
継続中
2025年6月27日
小泉進次郎農林水産大臣がウナギは絶滅危惧ではないと虚偽発言
農林水産大臣の小泉進次郎が2025年6月27日の閣議後会見で、EUのニホンウナギ輸出規制強化の動きを「遺憾」と述べつつ「絶滅の恐れはない」と強調した。
ニホンウナギはIUCNレッドリストで絶滅危惧種(Endangered)、環境省のレッドリストでも絶滅危惧IB類に指定されており、事実に反する発言として批判を受けた。
EUによる規制強化は科学的評価に基づくものであり、農相発言は国際的な保全議論と正面から食い違うものだった。
水産庁は2024年3月時点の資料では同種の資源状況を「長期的には低水準かつ減少基調」としており、わずか3か月余りで評価を転換したことになる。専門家(中央大学・海部健三教授)からは、根拠とされる論文が未発表で検証不能であること、和文資料にある「減少基調」等の記述が英文版からのみ不自然に欠落していることなどが指摘されている。
未解決