2026年6月26日
テスラがFSD歩行者死亡事故(ジョーナ・ストーリー氏)訴訟を非公開で和解
2023年11月28日、アリゾナ州の幹線道路で、逆光による事故で立ち往生した車両の周りの交通を誘導するため自分の車から降りた71歳のジョーナ・ストーリー氏が、Full Self-Driving(FSD)モードで走行中のテスラModel Yに高速で衝突され死亡した。テスラの自動運転技術に関連する初の歩行者死亡事例とされる。
NHTSAの調査では、逆光がテスラのカメラベースの安全システムを著しく損ない、システムがカメラの状態悪化を衝突直前まで認識できていなかったことが確認されている。
ストーリー氏の娘がテスラと運転者を提訴していたが、2026年6月、テスラは訴訟を法廷外で和解した。和解金額等の詳細は非公開。
未解決
2026年5月
テスラがロボタクシーの事故報告を企業秘密として非公開にし続けている
テスラは2025年6月、ロボタクシー運用開始前後にNHTSA(米国運輸保安庁)から受けた質問への回答を機密扱いにするよう要請した。運用初日には対向車線への誤走行や交差点中央での乗客降車など複数の重大ミスが確認されていた。
2026年5月時点で、テスラがNHTSAに報告したロボタクシー事故18件全てについて、事故の詳細を記すナレーティブ欄が「企業秘密を含む可能性があるため非公開」とされていることが判明した。Waymo・Zoox・Auroraなど競合他社が事故詳細を公開している中、テスラだけが全件を非公開にしている。
テスラのロボタクシーは安全員同乗にもかかわらず一般ドライバーの平均より事故率が高いとされ、米国に連邦レベルの自動運転安全法が存在しないため、この全件非公開の扱いが合法となっている点が問題視されている。
継続中
2026年3月20日
NHTSAがFSDの視界不良時の欠陥調査を320万台対象のエンジニアリング分析に格上げ
NHTSAは、Full Self-Driving(FSD)搭載のテスラ車320万台を対象とする調査を、リコールに先立つ段階であるエンジニアリング分析に格上げした。調査は2024年10月に240万台を対象とする予備調査として始まった。
NHTSAは、テスラのカメラベースのシステムが逆光・砂塵などの視界不良状況を検知できない、または先行車両を追跡・検知できない問題を確認し、これに関連する可能性がある事故9件(うち死亡事故1件、負傷事故2件)を特定、さらに6件を調査中とした。
2021年半ばにテスラはレーダー等を廃したカメラのみの「Tesla Vision」システムに移行しており、この視界不良への脆弱性が事故の一因になった可能性が指摘されている。
継続中
2025年12月16日
カリフォルニア州DMVがテスラの自動運転誇大広告で販売免許停止処分を科す
カリフォルニア州自動車局(DMV)は2025年12月16日、テスラに対し販売店免許30日間停止(60日間の執行猶予付き)の行政処分を発表した。先進運転支援システムに「オートパイロット」「フルセルフドライビング(完全自動運転機能)」という名称・表現を用いたことが、消費者に誤解を招き州法に違反すると判断された。
背景には2022年7月にDMVがテスラを提訴した経緯があり、テスラは同機能について「当時も今も自動運転車として動作することができない」としながら消費者を誤解させる宣伝を行っていたと指摘されていた。2024年6月にはカリフォルニア州行政審問局(OAH)がテスラの当該マーケティング表現は州法違反にあたると結論づけていた。
継続中
2025年8月21日
テスラがAutopilot・FSD事故の報告を法定期限より数か月遅延させNHTSAの調査対象に
NHTSAは、テスラがAutopilotおよびFSD関連事故について、連邦の定める報告期限(通知から1〜5日以内)を守らず、報告日より数か月以上前に発生していた事故が多数見つかったとして調査を開始した。テスラは衝突時に即座にサーバーへデータを送信する仕組みを持つにもかかわらず、報告を遅延させていた。
テスラはこの遅延を「データ収集システムの不具合」と説明し、既に修正済みだと主張しているが、NHTSAは監査照会を通じて遅延の原因・範囲・未提出報告の有無を検証するとしている。
継続中
2025年8月1日
テスラがフロリダ州オートパイロット死亡事故で2億4300万ドルの賠償を命じられる
2019年4月25日、フロリダ州キー・ラーゴでオートパイロット搭載のテスラModel Sが停止標識と赤色点滅信号を無視して交差点に進入し、時速約113kmで駐車中の車に衝突。ナイベル・ベナビデス氏(22歳)が死亡、ディロン・アングロ氏が脳損傷などの重傷を負った。
2025年8月1日、フロリダ州の陪審はオートパイロットの設計(高速道路専用に設計しながら他の道路での使用を制限しなかった点)に欠陥があったと認定し、運転手67%・テスラ33%の責任配分のもと、テスラに補償的損害賠償4,300万ドルと懲罰的損害賠償2億ドル、合計2億4300万ドルの支払いを命じた。自動運転技術をめぐる初の陪審評決とされる。
事故直前3ヶ月間、運転手はオートパイロットから23回の警告(ストライクアウト)を受けており、事故5日前には3時間で9回もの警告が記録されていた。
未解決
2025年2月19日
イーロン・マスクがSpaceXやテスラの経営者のままDOGEを主導し利益相反が指摘された
イーロン・マスクは、SpaceX・テスラなど連邦政府と多額の契約・規制関係を持つ複数企業の経営者を務めたまま、行政各部門の支出・人員を審査できる政府効率化省(DOGE)を主導した。自身の企業を調査・規制する連邦航空局(FAA)・証券取引委員会(SEC)・全米労働関係委員会(NLRB)・消費者金融保護局(CFPB)等の機関では、トランプ政権下で人員削減や調査停止が相次ぎ、利益相反であるとの指摘がニューヨーク・タイムズ等の報道で示された。
継続中
2024年10月21日
テスラの人型ロボットOptimusのデモが遠隔操作によるものだったと判明
2024年10月10日、テスラは自社イベントで人型ロボット「Optimus」の最新デモを披露し、ロボットがダンスや接客、来場者との会話をこなす様子を見せた。しかし複数の報道機関の取材により、これらの動作の多くが自律動作ではなく人間の遠隔操作によるものだったことが判明した。
投資家やアナリストからは、自律型ロボットであるかのように演出したデモについて「不誠実」「誤解を招く」との批判が上がった。マスクには過去にも実現しなかった約束を誇張して発表してきた経緯があり、疑念が増幅された。
テスラ側や擁護的な立場のエヌビディア幹部は、遠隔操作自体にも高度な技術が必要であり将来の自律化への一歩だと説明したが、自律動作であるかのように見せた演出手法への批判は解消されなかった。
未解決
2024年4月8日
テスラがウォルター・ファン氏のAutopilot死亡事故訴訟を和解
2018年、元Appleエンジニアのウォルター・ファン氏は、オートパイロット使用中のテスラModel Xがシリコンバレーの高速道路走行車線から逸脱し中央分離帯に衝突したことで死亡した。米国家運輸安全委員会は事故原因を「システムの限界」と結論づけている。
遺族は、テスラが「人間が運転する車よりも安全」と宣伝しながら、実際には効果的な衝突防止システムを搭載していなかったと主張して提訴した。2024年4月8日、テスラと遺族はカリフォルニア州裁判所での陪審員選定を前に和解に合意した。和解条件は非公表。
未解決
2024年1月30日
テスラのマスクへの560億ドル報酬パッケージがデラウェア州裁判所により無効判決を受ける
2018年にテスラ取締役会が承認したイーロン・マスクへの株式報酬パッケージ(当初評価額約560億ドル)について、デラウェア州衡平法裁判所のキャスリーン・マコーミック判事は2024年1月30日、株主に対する適切な開示がなく取締役会に利益相反があったとして無効と判断した。判事はマスクと取締役会の関係が近すぎ、報酬プランが公正であることを証明する責務を果たせていないと指摘した。
テスラは2024年6月の株主総会で報酬案を再承認したが、マコーミック判事は同年12月2日、株主の再承認後も懸念は払拭されないとして無効判断を維持し、「株主過半数の承認が株主利益を意味するわけではない」と述べた。テスラ側はこれを不服として上訴した。
継続中
2023年9月28日
EEOCがテスラ・フリーモント工場の黒人従業員への人種差別容認で提訴
米連邦雇用機会均等委員会(EEOC)は2023年9月28日、テスラのカリフォルニア州フリーモント工場を対象に提訴した。訴状によれば、黒人従業員は同僚から「モンキー」「ボーイ」やN-wordなどの人種差別的な蔑称を浴びせられ、机やエレベーター、設備には鉤十字や首吊り縄を模した落書きが残されており、ハラスメントは管理職から生産ラインの従業員まで及んでいた。こうした職場環境は2015年頃から続いていたとされる。
同工場を巡っては、この提訴以前にもメルビン・ベリー氏への100万ドルの判決(2017年)、オーウェン・ディアス氏への陪審による320万ドルの賠償認定(2016年)など人種差別を巡る和解・判決が続いており、有色人種の従業員らによる集団訴訟も係属中とされる。テスラは疑惑を否定している。
未解決
2023年5月
内部告発者がテスラの安全苦情隠蔽を示すデータ100GBを流出させた
2023年5月、独メディアHandelsblattが、内部告発者から提供された約100GBのテスラ内部データを報道した。データには、テスラが隠蔽していたとされる数千件の顧客苦情が含まれ、急加速に関する苦情2,400件超、意図しない急ブレーキ(「ファントムストップ」)に関する苦情約1,500件、事故報告1,000件超などが記録されていた。
社内文書からは、テスラが従業員に対し情報提供を口頭のみで行い、事故報告書を顧客に送付せず、留守番電話にメッセージを残さないよう指示していたことも判明し、法的責任回避を意図した対応だったとみられる。テスラは不正を否定し、データを入手・報道した側への法的措置を示唆した。
未解決
2023年4月8日
テスラ従業員が顧客の車載カメラ映像を無断で社内共有していた
2023年4月、ロイター通信の取材により、一部の元テスラ従業員が2019年から2022年にかけて、顧客の車の車載カメラで記録された私的な写真・動画(車内の様子や道路上のトラブルなど)を、顧客の同意なく社内メッセージシステムで共有していたことが判明した。一部の従業員は録画の位置情報を表示できるプログラムを使用していたとも証言しており、テスラが「カメラ記録は匿名化され顧客や車両に紐づけられない」としてきた説明と矛盾する可能性が指摘されている。
報道翌日、カリフォルニア州のプライバシー法違反を主張する集団訴訟が提起された。テスラは、映像は顧客がオプトインした場合のみ車両内に保存されテスラのサーバーには送信されないと説明している。
未解決